競馬でたくましい馬体と勇ましい姿で走っている馬を見ると、競走馬というのは堂々としていて勇敢な性格なのかと思う人もいると思います。
しかし、実は馬というのは本来とても臆病な動物なのです。
競走馬も例外ではありません。
今回は、競走馬の性格について詳しく見ていきたいと思います。
競走馬の性格は臆病?
馬は草食動物で、野生の馬は常に天敵を警戒しながら暮らしています。
そのため、本来の性格は臆病で警戒心の強い動物なのです。
競馬を見ていると、マスクをつけていたり、ブリンカーなどの飾りのようなものをつけている馬がいることに気づくと思います。
あれは決しておしゃれのためだけにしているのではなく、馬の臆病な性格のためなのです。
馬は警戒心が強い臆病な動物ですので、走っている時、地面にうつった自分の影や、隣で走っている馬のせいで、怯えて走らなくなったり、騎手のいうことを聞かなくなったりすることがあります。
競走馬に着ける馬具とその特徴と効果
馬によっても、周りの音が気になる馬もいれば、まったく気にせず走る馬もいます。
つまり馬も人間と同じでそれぞれの性格が違います。
しかし上で述べたように、特に警戒心の強い馬や臆病な馬には、マスクなどを着せて臆病さを補うようにします。
基本的に馬に着せる馬具は、メンコ、シャドーロール、ブリンカー、チークピーシーズ、ホライゾネットがあります。
1つずつ写真と一緒に見ていきましょう。
メンコ
出典:wikipedia
これは馬に着せる覆面のことです。
覆面といっても耳まで隠すものが一般的で、音に驚いたり、ダート競争の時に跳ね返ってくる土が耳に入るのを嫌がる馬のために使用されます。
シャドーロール
出典:wikipedia
これは名の通り、物陰や自分の影に怯える馬のためにつけます。
これを馬の鼻上に着けることで、馬は自分の下らへんが見えなくなるので、物陰などに気を取られなくなる効果があります。
シャドーロールを装着していた有名な競走馬には、最近ではアーモンドアイや、過去にはドゥラメンテ、ナリタブライアンなどがいます。
ブリンカー
これは特に周りに気が散ってレースに集中できない馬のために使われます。
ブリンカーは目の周りを覆う形になっているので、競走馬は前の視界に集中することができ、結果的にレースにも集中できるようになります。
ちなみに競馬新聞をみると、ブリンカー着用の馬にはBマークがついています。
チークピーシーズ
出典:wikipedia
これはブリンカーと用途は似ていて、前方に集中させるために、馬の頬部分にボア状のものを着けます。
じゃあブリンカーとどう違うの?ということなんですが、違いとしては、JRAに装着の届け出が必要か否かです。
ブリンカーは出走登録の際に、JRAに装着の届け出を出す必要があります。しかしチークピーシーズは届け出の必要がなく、手軽に装着が可能なのです。
その経緯があり、頻繁に使われるようになったと言われています。
ホライゾネット
これはメンコの目の部分にネット状のものが付いたバージョンで、前に走る馬が飛ばしてくる砂を嫌がる馬用のようです。
また、他の馬具と同じように、前方に意識を集中させる効果も期待されて使われることもあるようです。
まとめ
このように競走馬は強そうに見えますが、本来はちょっとした物音や影などにもおびえるような臆病な動物です。
そのために競馬ではメンコ、ブリンカーなどの馬具を使って工夫されています。
そのような知識を知った上で競馬を見てみると、その馬の性格などがより深くわかり面白いと思います。
競馬の主役は何と言っても走る馬ですので、パドックなどでも注目してみてください。
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