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香港競馬の概要紹介
中国では基本として法律上賭け事が禁止されていますが、例外として、香港は賭博行為を含む競馬開催が行われている数少ない地域(特別行政区)となっています。
統轄機関である香港ジョッキークラブが、競馬に関するあらゆる事項を統轄しており、9月から翌年7月までを1つのシーズンとして開催されています。
これは、気温が高く消耗が激しくなりやすい夏季を避ける、といった理由があり、開催期間中の水曜日にはナイトレース(日本の地方競馬におけるナイター)も行われています。
また、基本土、日曜日の週2日開催の日本競馬と比べて、香港競馬は先に挙げた水曜日のナイトレースと、土曜日か日曜日いずれかの日中開催との週2日開催が基本となっています。
香港の競馬場一覧
ハッピーバレー競馬場
現在のハッピーバレー競馬場があった土地はもともとは沼地で、1840年代半ばに干拓され、1847年にハッピーバレー競馬場が建設されました。
当初は年1回、旧正月にだけレースが開催されていましたが、1884年に香港ジョッキークラブが設立されたことで、現在のようなレース体系が確立されました。
ハッピーバレー競馬場には世界最大の発光ダイオードスクリーンがあり、長さ約35メートル、高さ8メートルの巨大スクリーンは、競馬ファンなら一度は見ておきたいほどの大迫力と言われています。
沙田(シャティン)競馬場
日本競馬ファンにもおなじみの年末の香港国際競争は、このシャティン競馬場で行われます。
1978年に設立され、1985年のスタンドの増設により、収容人数は7万人を超え、1988年に香港初の国際競争がこのシャティン競馬場で開催されました。
また競馬場周辺には、国際規模のホテルや大型のショッピングモール、さらにレストランやパブ、映画館なども多く点在しており、競馬場も含めた一大アミューズメント施設としても、今もなお発展を続けている競馬場です。
香港競馬のルールと馬券の種類
まず日本競馬と決定的に異なるルールとして、
『競馬場内に携帯電話を持ち込んではいけない』といったルールがあります。
香港ジョッキークラブの規定により、競馬開催日には競馬場内に携帯電話を持ち込むことは禁止されており、もし携帯電話の所持が見つかった場合、退場させられる場合があります。
次に馬券の種類ですが、日本でもおなじみのモノとして、以下の種類があります。
・Win (ウィン) 単勝
・Place (プレイス) 複勝
・Quinella (キネラ) 連勝複式(馬連)
・Quinella Place (キネラプレイス) ワイド
・Double (ダブル) 2重勝(馬単)
・Trio (トリオ) 3連勝複式(3連複)
・Tierce (ティエルセ) 3連勝単式 (3連単)
また、日本にない馬券として、複数のレースにまたがって決着する投票方式も存在し、以下はその代表的なものとなります。
・Treble (トレブル) 特定の3レースの1着馬をあてる
・Double Trio (ダブルトリオ) 特定の2レースの1~3着馬をあてる
・Triple Trio (トリプルトリオ) 特定の3レースの1~3着馬を当てる
・Six up (シックスアップ) 特定の6レースすべての1着か2着をあてる
さらに、正確には馬券ではありませんが、ブックメーカー投票方式による、ジョッキーがレースで3着までに入着するとポイントが加算され、最もポイントの多いジョッキーが誰になるかを予想するJockey Challenge(騎師王)という投票方式も存在します。
香港競馬にセン馬が多い理由
香港競馬では、多くの馬が入厩する前に既にセン馬にされていますが、これは香港にはブリーディング産業(馬の生産牧場等)がないからだと思われます。
現役生活で活躍後、種牡馬となっても香港ではほとんど価値がないため、それならば現役生活中に最大限競走能力を発揮できるように、デビュー前からセン馬にすることが多いのでしょう。
日本では現役生活以上に、引退後の種牡馬としての価値も重視しますが、香港競馬においては『現役生活中にどれだけ賞金を稼げるか』が全てであり、それがストレートにその馬の評価につながるのだと思います。