戸崎圭太騎手(美浦・田島俊明厩舎所属)は、栃木県出身の現在36歳のジョッキーで、内田騎手、小牧騎手、岩田騎手などと同じく、地方競馬(南関東)から中央競馬へと移籍したジョッキーです。
戸崎騎手がJRAに移籍してきたのは2013年のこと、度重なるチャレンジでようやく中央のジョッキーとしてうれしいデビューとなりました。
現在は中央では4年目のキャリアということで、ますます脂が乗ってきている印象も強い、大注目のジョッキーです。
戸崎圭太騎手の得意な条件、コース、展開、騎乗スタイルなど
戸崎騎手に限らず、地方出身の騎手やアメリカからの参戦騎手に共通するのが、「小回りに強い」という特長です。
やはり地方競馬にしてもアメリカ競馬にしても、中央競馬にくらべるとはるかに小回りの競馬であり、それだけタイトなレースが多く、テクニックも必要になります。
それが中央の小回りコースで存分に生かされているようです。
特に中山内回りコースなど、中央競馬の中でも小回りコースに分類されるコースでは、かなり上手に乗っているという印象があります。
戸崎騎手のレベル(現在リーディング独走)になると、そこまで得手不得手が顕著ではありませんが、どちらかといえば、差し・追い込みのタイプの馬に乗せると「うまいなぁ・・・」という印象を覚えるレースが増える気がします。
生え抜きの中央ジョッキーでは、年代も同じ池添騎手とタイプが似ている気がします。
流れを読むのがうまいというよりも、ポイントポイントで柔軟に対応できるのが両者に共通する強みでしょう。
やはりトップジョッキーには必要な「カン」が働くといった印象です。
逆に、逃げ先行馬に乗って自分でペースを作る競馬となると、武豊騎手や横山典弘騎手のような「マジック」が炸裂するレベルにはまだ達していないのかな、という気がします。
というよりも、戸崎騎手のレーススタイルから、あまり先には行きたくないという思いがあるのかもしれません。
ただ、中央でのキャリアをこれからどんどん積んで行けば、中央の大ジョッキーに比肩するレベルにのしあがることも十分できるだけの素質は随所に見られると思います。
現在までのレース成績
南関東時代のことは、コアな競馬ファンであれば今更説明の必要はないと思います。
しかしそれでもやはり触れておかなければならないのが、戸崎騎手といえばもちろん南関の雄・フリオーソでしょう。
戸崎騎手はフリオーソとのコンビで2008年、2010年の帝王賞、2011年の川崎記念とかしわ記念というビッグタイトルを獲得していました。
また、南関東在籍時代に中央でもすでにG1を勝っていました。
このあたりは同じ南関出身の内田騎手とも同じ経歴です。
南関東時代の2011年安田記念では、人気薄のリアルインパクトを強気な競馬で優勝に導くファインプレーが思いだされます。
中央に移籍以降は、あの怪物牝馬ハープスターを競り落とした2013年阪神JFのレッドリヴェールをはじめ、2014年にはマイルCS南部杯のベストウォーリア、そして何といっても有馬記念の7冠女王ジェンティルドンナとのコンビは記憶に新しいところです。
2015年と2016年にはヴィクトリアマイルでストレイトガールの連覇に貢献し、2015年スプリンターズSでもストレイトガールの手綱で快勝、戸崎騎手とストレイトガールはすっかり名コンビとなりました。
他にも笠松のラブミーチャンや2歳王者・アジアエクスプレスなど個性的な馬とのコンビも記憶に残るところです。
近いところでは、夏の関屋記念でヤングマンパワーを勝利に導きました。
次走予定
リーディングを独走する活躍を見せる戸崎騎手ですから、乗る馬はすべて注目が必要になります。
今週の札幌キーンランドCでは、休み明けになるブランボヌールに騎乗するのではないかと思われます。