ここでは、異常オッズとはなにか?という説明から、どのような状況で発生するのか、異常オッズと正常オッズの見分け方をご紹介します。
異常オッズとは何か?
オッズは、馬券を購入した時の票数が変動することによって変動します。
通常であれば、競馬新聞やスポーツ新聞などの印や、予想記事などで多くの人たちが本命に挙げるなど、明らかに能力上位と見られる馬などに投票が集中し、人気が集中します。このように、多くの人が買いたいと思うかどうかで決まる人気順とオッズの事を『一般票』と呼びます。
それに対して、明らかにオッズの秩序を乱すような買われ方をしている馬のオッズの事を、『異常オッズ』と呼びます。オッズは人の投票によって作られるものなので、分かりやすく言えば誰かが意図的にその馬の馬券を買い占めている、ということになります。
どのような状況で『異常オッズ』は発生するのか?
では、どのような要因でこういった異常オッズが発生するのでしょうか。異常オッズの発生要因は複数あると考えられています。
① 馬主の大口投票による異常オッズ
一時期の「アドマイヤ」の冠名のオーナーである近藤利一氏や、「フサイチ」の冠名のオーナーである関口房郎氏は、自分の所有馬から大枚を張ることが多く、その大口投票によって異常オッズを引き起こしやすくなります。
しかし、道楽での馬券購入であり、根拠のない投票が多いので、実際に馬券に絡む異常オッズが少ないのが特徴でもあります。
また、近年増加しているクラブ会員等の共同馬主の馬などにも同じような現象が見られます。
② メディアの報道による異常オッズ
以前と比べてインターネット環境が格段に発達し、それに伴って多くのメディアから発信される様々な情報によって、近年は異常オッズの発生率が高くなっています。
有名な予想屋などによる穴予想や、全国的に知名度の高い著名人(芸能人)などの推奨馬などは、特にその傾向が見られやすいです。
最近では、JRAに十数年ぶりに誕生した藤田菜七子騎手の過剰報道によって、ファンが大量に単勝馬券を購入し、結果として異常オッズが発生するといった事象も起きています。
③ インサイダーによる異常オッズ
インサイダーとは、簡潔に言えば『関係者情報をもとに買われた馬券』のことです。
競馬法によって、競馬関係者(騎手、調教師、厩務員、JRA職員等)は馬券を購入することを禁止されていますが、今現在の法律では違反しても刑事罰に問われることはなく、親しい記者や友人といった人に頼んで、馬券を買ってもらえれば関係者でも馬券の購入は可能であるというのが現実です。
また、『馬主』は関係者にいちばん近い部外者の為、関係者から内部情報を入手し、それをもとに馬券を買っても問題ないとされています。
上記のように様々な経路はありますが、関係者情報をもとに買われた馬券がインサイダーによる『異常オッズ』となります。
異常オッズと正常オッズの見分け方
では、その異常オッズを見極める方法はどのようなものでしょうか。
最も大事なのは、『1種類のオッズだけをみて判断しないこと』だと思います。
簡単な例を挙げますと、単勝では1番人気であるものの、他の券種である馬連、馬単などは他の馬からの方が売れている、といった現象は多くみられますが、これは単勝の異常オッズを疑った方がいいでしょう。
本来本命候補として信頼できる馬であれば、単勝人気に伴って頭が固定される馬単(馬連)も売れるはずですが、そうなってないのは何かしらの情報によって、単勝馬券のみに大口投票があったと推測することができるからです。
『異常オッズ』として大きく話題になったのが、『ヒシミラクルおじさん』と『2014年トーホウジャッカルの菊花賞』の2つだと思います。
どちらも前日に単勝に大口投票が行われ、結果として勝ったことで大きく注目をされた例ですが、だからといって異常オッズに乗っかって馬券を購入するのは、個人的にはどうかと思います。
理由として、馬券の購入に根拠がなく、全く知らない人の予想に乗っかっているだけだからです。
異常オッズを発見したら、まずはその馬についてしっかり精査し、その上で自分の予想をもとに問題ないと思えば、その馬の馬券を購入する。そういったスタンスが競馬で勝つためには必要だと思います。