JRAで施行されるレースは、賞金額が高いことで世界的に有名です。
ドバイワールドカップや香港カップなど、海外でも賞金の高いレースは数多くありますが、JRAは単一レースの賞金がただ単純に高いわけではなく、未勝利戦や条件戦でも一定の賞金が出るからで、施行レースの平均賞金額が高いということです。
では、そのJRA施行レースの中で、賞金額が高いレースはどれなのでしょうか?
1着賞金額が高いレースをランキング形式で発表しましょう。
【第1位】有馬記念・ジャパンカップ(ともに3億円)
日本を代表するグランプリレースと国際招待レースが同額で1位を分け合いました。
有馬記念
有馬記念はその年の競馬を締めくくるGⅠ競走で、出走馬はファン投票で選出されるのが特徴です。
ただ、近年は12月2週目に開催の、香港国際賽事(香港国際競走)もあるために中距離傾向の馬の出走が少なくなり、年々レースのレベルダウンが危惧されています。
ジャパンカップ
ジャパンカップは『世界に通用する強い馬づくり』を目的として、1981年から開催されている国際招待のGⅠ競走です。
開催当初は外国馬の圧倒的な強さばかりが目立ちましたが、出走外国馬のレベルダウンと日本馬のレベルアップで国際招待の意味がないため、開催趣旨が曖昧になってきています。
両レースともに賞金額の増加が相次いでいるのは、これらの問題点を高額賞金で補おうという事なのでしょう。
【第2位】日本ダービー(東京優駿) 2億円
3歳最強馬決定戦で、クラシックディスタンス(2400mの事を指す)に適した産駒の生産が主流となっているため、年々出走馬のレベルアップが目覚ましい現在では、もっとも賞金額に見合ったレースであると言えるでしょう。
【第3位】天皇賞(春・秋)・宝塚記念、1億5千万円
天皇賞(春)
JRA平地GⅠ競走では最長距離(3200m)となる天皇賞(春)は、近年その距離の長さからトップクラスの競走馬の出走回避が多く、レースレベルの低下が言われ続けて来ました。
ヨーロッパや北米でも、この様な長距離レースは時代に合わないとして、年々価値も下がり気味です。
ただ、天皇賞(春)はクラシックディスタンスを超える距離の得意な馬のほとんどが集結するため、毎年長距離レースNo.1決定戦にふさわしいメンバーがその座を争います。
天皇賞(秋)
天皇賞(秋)は1984年にそれまでは天皇賞(春)と同じ3200mだったレース距離を2000mに短縮し、秋の中距離王決定戦の地位を確立しました。
近年は秋初戦を凱旋門賞などの海外レースにする遠征馬が、検疫の関係で天皇賞(秋)に出走できないなど弊害はありますが、中距離トップクラスとマイル中心のトップクラスが出走するため、例年好レースが期待できるメンバーが出走しています。
宝塚記念
宝塚記念は、有馬記念同様にファン投票で選ばれた馬が出走していますが、気温が上がり始める6月末の開催と、春シーズン終了もあって古馬も3歳も、トップクラスの出走が減少したため、7~8年ほど前までは不要論も出たGⅠ競走でした。
ところが、秋にヨーロッパ遠征をする馬が増えると、そのステップレースとして出走するケースが増加したり、また春に海外遠征した馬が帰国初戦に選ぶようになり、宝塚記念はここ数年では、春にもっとも古馬トップクラスが出走するレースとなりました。
なお、それぞれのレースで表記した金額は1着賞金で、賞金総額はこの倍以上です。
まとめ
この様に、2分~3分半ほどの間に3~6億円超のお金が動くと考えると、競馬という興行(スポーツという考え方もできます)はすごいと言わざるを得ません。
このテーマでは余談になりますが、賞金は馬主80%,調教師10%,厩務員と騎手が5%ずつ分配されます。
ジャパンカップや有馬記念で、勝利騎手が1500万円もの大金を掴むと考えると、騎手の気合いの入れようが半端ないのもうなずけます。