中央競馬では、レースの結果を表す電光掲示板に着順と全走破タイム、そして上がり4F(ハロン)と3F(ハロン)のタイムが表示されます。
上がり4Fと上がり3Fのタイムって何?と思われる人もいるかも知れません。
これはゴール前最後の800m(4F)と600m(3F)の走破タイムの事なのです。
競馬では200mを1F(ハロン)と言い、距離を表す目印の棒をハロン棒と呼びます。
電光掲示板に上がり4F・3Fのタイムが表示される理由
では、なぜレース結果掲示板に最後の4F・3Fのタイムが表示されるのでしょうか?
それは、競走馬が全力で走れる限界時間が40秒足らずのため、上がり3Fのタイムがその競走馬の全力での走破能力を表す事ができるからです。
残りの800mと600mを先頭の馬が通過してから勝ち馬がゴール板を通過するまでに要した時間が、レースでの上がり4F、3Fタイムと言われます。
このうち、予想をする上で重要視されるのが上がり3Fタイムです。
残り4Fでは、最初の1Fは3コーナー手前や4コーナーの途中であったりと、レース最後に向けてまだ加速されていない状態の場合が多く、タイムとしてあまり意味がないため、最後の600m(東京や新潟,中京の場合はほぼ最後の直線の走破タイム)が重視されます。
しかし注意したいのが、レースの上がり3Fタイムが勝ち馬の上がり3Fタイムとは限らないということです。
逃げ馬が残りの3Fまで粘っていて、ゴール板を最初に通過したのが追い込み馬であった場合、勝ち馬の上がり3Fタイムはレース上がり3Fタイムよりも速いはずです。
このため、レース終了後に発表されるレースの全着順では、各馬のレース走破タイムと共に上がり3Fタイムが発表されます。
これが記録として残りのレースの参考データになります。
上がり3ハロン最速とは?
よく、「上がり最速をマークした」という言葉を聞きます。
この上がり最速をマークというのは、つまり「上がり3ハロンを最速で走破した」ということです。
一般的には、あるレースで「上がり最速をマーク」というと、そのレース出走馬の中で最速の上がり3ハロンタイムを出したという意味になります。
上がり3ハロンタイムの予想への活用
さて、上がり3Fタイムを見ることにはどのような意味があって、どのように予想の参考データとなるのでしょうか?
上がり3Fのタイムが速いというのは、瞬発力勝負に対応できる事を意味します。
近代競馬ではスローな流れからの直線の瞬発力勝負が主流になっており、先行馬であろうと追い込み馬であろうと、直線である程度速い脚が使えなければ、勝ち負けすることが難しくなっています。
競走馬は通常1F・11秒後半で走ります。
芝が軽いと言われる東京・京都のコースでは、上がり3Fタイムがマイル~中距離戦でも32秒台に突入することがありますし、短距離戦では33秒台前半は普通に出ます。
現在の日本競馬で上がりタイムの速い馬が勝利する傾向が強くなったのは、なんといっても種牡馬『サンデーサイレンス』が導入され、成功したことが大きな要因となっています。
そのサンデーサイレンス産駒の集大成と言える『ディープインパクト』が現在、種牡馬として競馬界を席巻しています。
ディープ産駒が強い理由は、走りが軽い産駒の特徴によりトップスピードに達する時間が速く、勝負根性に優れている点で、まさに近代競馬にマッチしているからです。
まとめ
上がり3Fのタイムが速い馬は、レースで勝利するためのアイテムを持っています。
予想するときには、必ず過去のレースで上がり3Fのタイムがレース最速をマークした事のある馬には要注意の印を入れておいてください。
また、上がり3Fタイムのレース最速を何度も続けて出せる馬は必ず上位のクラスへ昇級します。
この点にはいつも注意しながら、馬柱を見てください。
必ず予想の参考になるはずです。
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