JRAでは兄弟同士が騎手として活動していることがあります。
ほとんどの騎手が、子供の頃から馬が身近な環境で育っていることが影響を受けて、自然と憧れを抱いていることがうかがえますが、兄弟でG1を勝利しているとなると珍しいケースといえます。
特に兄弟で有名なのは関西の武豊・幸四郎兄弟でしょう。
父親の邦彦氏もG1を制しており、まさにサラブレッドといった感じです。
では関東ではどうでしょうか。
「東の豊」こと、吉田豊・隼人騎手でしょう。
吉田豊騎手はメジロドーベルでのコンビでG1を5勝しており、2016年5月23日現在、通算で重賞33勝、G1を9勝しています。
弟の隼人騎手は兄の8年後輩となり、同期には藤岡祐介・川田将雅騎手らがいます。
ここでは弟の隼人騎手についてご紹介していきます。
経歴・レース成績
吉田隼人騎手(1983年12月20日)は、2004年にデビューします。
初勝利は4月24日の東京第3レースでスターオブアディラに騎乗し、2番人気で見事逃げ切り勝ちを収めています。
同年はわずかに3勝しか挙げられませんでしたが、翌2005年には23勝を挙げました。
同年には2戦2勝となって、2歳G1朝日杯フューチュリティーSへと出走したアポロノサトリには、規定の30勝に届かずに隼人騎手は本番で騎乗することが出来ませんでした(本番は蛯名騎手)。
結果は8着となりましたが、悔しさを味わったことで、翌2006年は4月の福島牝馬Sで7番人気の伏兵、ロフティーエイムで初重賞制覇を達成。
また、10月にはG1初騎乗も果たし、同年は60勝と大幅に勝ち星を増やしました。
なお、この年は中央競馬騎手年間ホープ賞を受賞しています。
翌2007年は菊花賞で7番人気のフォゲッタブルでハナ差の惜しい2着。
その後2011年は自己最高となる年間80勝を挙げました。
2014年には福島記念でサニーサンデーで勝利すると2着には兄・豊騎手のトウショウシロッコが入り兄弟ワンツーを成し遂げました。
2015年はゴールドアクターとのコンビでアルゼンチン共和国杯を勝ち、続く有馬記念では8番人気で勝利し見事初G1制覇をしました。
穴党のファンから支持が熱い吉田隼人騎手
隼人騎手は2016年5月23日現在、654勝、重賞11勝、G1を1勝しています。
重賞で下位人気の馬でも馬券圏内に持ってくることが多く、穴党のファンからは人気があります。
2007年のフェアリーSや、2009年のアルゼンチン共和国杯では共に単勝11番人気ながら、前者は追い込み・後者は逃げ切りと違う展開でもきっちり万馬券に絡んできます。
2016年の吉田隼人騎手は、何と言ってもゴールドアクターとのコンビでしょう。
重賞3連勝をして臨んだ天皇賞・春ではパドックから入れ込み、レースでも折り合いを欠いて1番人気に支持されながら12着と敗れています。
雪辱がかかる宝塚記念や秋のG1シリーズでは巻き返しに期待がかかります。