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サンエイサンキュー事件の真相は?馬主・岩崎氏と厩舎と田原騎手

サンエイサンキューという競走馬をご存知でしょうか?

 

GIレースを勝った訳でもなく、重賞勝ちこそあるものの、数多くいる競走馬の中でも名馬というには申し訳ないが遠く届かない馬です。

 

サンエイサンキューの現役時代から引退と世の中を騒がせた大きな事件についてまとめています。

 

サンエイサンキューの競走成績

サンエイサンキューの現役時代の全成績を見てもらいたいと思います。

※当時の馬齢表記で掲載

 

1991年

7月13日 3歳新馬 2着 徳吉騎手

7月20日 3歳新馬 1着 徳吉騎手

7月28日 札幌3歳S 13着 徳吉騎手

8月25日 クローバー賞 7着 徳吉騎手

9月22日 函館3歳S 2着 東騎手

10月27日 いちょうOP 1着 東騎手

12月1日 阪神3歳牝馬(GI) 2着 東騎手

 

1992年

2月2日 デイリー杯クイーンカップ 1着 東騎手

3月8日 報知杯弥生賞 6着 東騎手

4月12日 桜花賞(GI) 7着 東騎手

5月24日 優駿牝馬(GI) 2着 田原騎手

7月5日 札幌記念 1着 田原騎手

8月23日 函館記念 3着 田原騎手

10月4日 サファイヤS 1着 田原騎手

10月25日 ローズS 2着 田原騎手

11月15日 エリザベス女王杯 5着

12月27日 有馬記念 競走中止

 

17戦5勝

 

サンエイサンキューの全成績を見ると決して能力がない訳ではありませんし、それなりに結果も残しています。

 

それなのになぜ、この馬が悲劇の主人公となり、競馬界でも大きな事件に発展したのでしょうか?

 

過酷なローテーションが原因の悲劇

サンエイサンキューの全成績の着順だけを見ていると、なかなかの好走が多い馬でありながら、怪我をしてしまったとは残念だと思うかもしれません。

 

競馬ファンを何年か続けている方であればわかると思いますが、サンエイサンキューのローテーションが通常では考えられないような過酷なローテーションだとは思わないでしょうか?

 

デビューから2戦目で勝利を飾っているのにもかかわらず、3連闘という少々無謀な気がしないでもないローテーションですし、その後も殆ど長期の休養を取ることなくレースに出続けています。

 

春の弥生賞は、基本的に牡馬がクラシックに向かう前哨戦なのですが、その後は桜花賞と優駿牝馬に出走しているので、皐月賞を視野に入れたのかもしれませんが、順当な流れをこの段階でつくるべきなのかもしれません。

 

桜花賞から優駿牝馬は普通のローテーションともとれますが、それまでに一度も長めの休養はありませんし、引退までまともに休養をとっていないことがわかります。

 

当時のライバル馬である「ニシノフラワー」と比較をするとわかりやすいのですが、ニシノフラワーは桜花賞がデビューから6戦目で、その前はチューリップ賞に出走をしていますが、年末から3月までは休養をしています。

 

桜花賞から優駿牝馬は通常のローテーションで、その後もサンエイサンキューは夏の北海道に参戦をしていますが、ニシノフラワーの秋はローズSからになっています。

 

牝馬であれば、ローズSからエリザベス女王杯への流れが一般的なのですが、サンエイサンキューはサファイアステークスにも出走をしています。

 

何しろ、桜花賞までニシノフラワーが6戦目に対して、サンエイサンキューが10戦目というのは、少々レースに出しすぎではないかと思われます。

 

優駿牝馬の後も、エリザベス女王杯までにニシノフラワーはローズSの1レース出走に対して、サンエイサンキューは、4レースに出走していますが、ここでもローテーションに大きな問題があることが疑われます。

 

サンエイサンキューの馬主、岩崎氏と厩舎と騎手

サンエイサンキューの馬主は岩崎氏ですが、サンエイサンキューのローテーションを巡って、厩舎や騎手とたびたび意見の食い違いがおきていました。

 

馬体の事を思って休養をすすめた田原騎手や厩舎側の意見も聞かずに次々とレースに出走を続けたことが原因で最終的に骨折をしてしまったのではないかと言われています。

 

後に説明をするサンエイサンキュー事件も馬主である岩崎氏と騎手である田原騎手の意見の相違からはじまっています。

 

サンエイサンキューの怪我と予後

過酷とも思われる馬主である岩崎氏のローテーションに必死で期待に応えようと激走を続けていたサンエイサンキューでしたが、有馬記念のレース中に骨折をしてしまい、競走を中止しました。

 

本来であれば、馬の骨折は命に係わる怪我で、サンエイサンキューの状態もひどい骨折だったこともあり、獣医師により予後不良の判断で、安楽死処分をすすめられました。

 

競馬ファンの中には、安楽死を反対する方もいるかもしれません。

 

しかし馬の骨折で獣医師が予後不良を診断するような重症の場合は、蹄葉炎(ていようえん)という蹄の部分が腐ってしまう状態になる事も多く、苦しんで亡くなるくらいであれば、安楽死を選択することも馬主として最後の決断だと言えます。

 

ところが、馬主である岩崎氏は安楽死がかわいそうだからというのであれば、人として認められるものの、手術をしてうまく生きていれば繁殖牝馬としてまだ稼げる馬になるという、とても馬主とは思えないような発言をして手術を強行させたと言われています。

 

実際には、手術というよりも延命処置に近い状況だったことが想像されますが、結果的にサンエイサンキューは骨折後に6回の手術を行い、最後は蹄葉炎を発症して心臓麻痺を起こして、治療開始から2年後に亡くなりました。

 

この時のサンエイサンキューの馬体重は約300kgまで減少していたことから、とても医療行為とは思えないような苦しい時間だったのではないかと感じます。

 

サンエイサンキュー事件

悲劇のヒロインとなったサンエイサンキューの競走馬としての生涯も大変な事件に近い状況ですが、別舞台では騎手と記者の間でも大きな事件が発生していました。

 

サンエイサンキューの過酷なローテーションは前にも説明しましたが、当時優秀牝馬の出走後も鞍上を任されていた田原騎手は夏にも休みがなく、馬体の調子があまり芳しくないと感じていました。

 

田原騎手は、秋の目標であるエリザベス女王杯に向けて馬主の岩崎氏にサファイヤSに出走をしたのだから、ローズSには出走をしなくてもよいのではないかと意見をしました。

 

ところが、岩崎氏は田原騎手の忠告には耳を傾けず、自身の計画通りのローテーションでサンエイサンキューを出走させ続けて、幸か不幸か好成績でエリザベス女王杯に臨むことになりました。

 

エリザベス女王杯の直前になっても、田原騎手はコメントでサンエイサンキューの体調が良くない事をテレビのインタビューで答えた収録後に、「弱気なコメントばかりしてしまったから、これでサンエイサンキューが2着以内に来たら頭を丸めないといけない」と言ったとされています。

 

この事を実際には現場にいなかった当時のサンケイスポーツの水戸記者が田原の発言を知人から伝え聞き、翌日の新聞で「田原2着以上なら丸坊主になる」という見出しで1面記事にしてしまいました。

 

この田原騎手の発言は、八百長行為にも間違えられる発言になる危険があるので、田原騎手がサンケイスポーツに対して、「誤解を招くような記事を書かないでほしい」と願いでたところ、またしても水戸記者は、「田原謝罪」という見出しで、紙面を飾りました。

 

この報道にさすがの田原騎手も怒ったようで、実際に言っていない事を歪んだ記事で公開されても困るからという理由で、サンケイスポーツのインタビューなどを拒否しています。

 

水戸記者が、実際に田原騎手に聞いたコメントはサンエイサンキューの調子について聞いた時に、「見てわかるだろ」という記事にならない内容がコメントとしてかえってきた事から、知人から聞いた言葉を記事にしたと言われています。

 

その後に、サンケイスポーツ社の社員が内部告発的な内容を雑誌で発表したために解雇となり、その後にサンケイスポーツのスポーツ部から退社をする人が続いたという事実もあります。

 

この事件に関しては、本当の部分は見えていないので断言はできませんが、少なくとも現状のスポーツ新聞の記事を見ていると、競馬に関わらず「本当にこの選手が言ったのか?」と思うような内容で、変な誤解や混乱をふくらませているような悪意を感じる事もあるので、完全に否定できる事でもないのかもしれません。

 

まとめ

事件の真意は、個々の判断に任せるとして、サンエイサンキューという馬の話題から、オルフェーブルが勝った時のダービーを思い出しました。

 

勝ったオルフェーブルは主役に間違いはありませんが、実はここに1頭競走を中止した馬がいたのですが、あまり大きな話題にはならなかったかもしれません。

 

リベルタスという馬なのですが、この馬もデビューからダービーまでのローテーションで、かなり無理をしていたので、クラシックでは皐月賞を断念して、ダービーだけに的を絞るのかと思いきや両方とも無理をさせた一頭だといえます。

 

幸いにもこの馬の場合は、ダービーで競走中止となった後はローテーション的にも無理な使い方はされなかったので、決して大きな記録はつくれませんでしたが、長く競走馬として活躍ができました。

 

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