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2017年の凱旋門賞に登録していた日本馬は当初、全部で5頭でした。
その中で出走を決めたのはサトノダイヤモンドとサトノノブレスの2頭で、他の3頭は回避を決めています。
残りの3頭のうち期待されていたキタサンブラックは宝塚記念の敗戦により、オーナーが回避を表明しています。
このレースに出走する前は凱旋門賞へ出走する可能性も高く、現在の主戦である武豊騎手も楽しみにしている旨を述べていましたが、宝塚記念では普段の安定感のある走りとは違い、かなり大きく負けてしまいました。
これによって秋は国内に専念することに決まったのです。
また残りの2頭はカデナとクリンチャーですが、こちらもダービーの成績から回避を決めています。
サトノダイヤモンドの血統から見る凱旋門賞との相性
今年の凱旋門賞は比較的、好走できる環境が整ったレースと言えます。
もちろんサトノダイヤモンドの海外適正が重要なポイントになります。
サトノダイヤモンドの母であるマルペンサはアルゼンチンの名牝です。
マルペンサの父はOrpenで、この馬はフランスのマイル路線で活躍しています。
フランスでの好走経験がある母父は、凱旋門賞でもプラスに働くでしょう。
ただしOrpenのフランスでの主な勝鞍は芝1200mなので、凱旋門賞にぴったりの血統とは少し異なります。
凱旋門賞では日本では重い血統とされがちなパワータイプの好走も目立ちます。
とは言えサトノダイヤモンドは中山芝2500mの有馬記念を制覇した経歴もあり、スタミナがあることは証明されています。
また3歳ではなく古馬になってから凱旋門賞に登録したことで、馬体の成長も促されています。
国内では安定した成績を残しているサトノダイヤモンドですから、凱旋門賞での活躍も十分に期待できます。
ただ素質としてはかなり高いものを持っていたオルフェーヴルでも2年連続2着が最高だったことを考えると、フランスの馬場適性はかなり重要視されます。
当日の枠番や状況にも注意が必要
また凱旋門賞では内枠が比較的有利とされ、大外枠は歓迎されません。
頭数にもよりますが、当日の枠番にも注意が必要です。
サトノノブレスが帯同馬として参戦することも今年の凱旋門賞の大きな特徴です。
逃げ馬として参戦するわけではないと思われるため、進路確保の役割として大きな影響を与えるのではないでしょうか。
外国競馬では何頭かの同厩舎・同馬主の馬が固まって出走してくることも多く、有力馬に有利なペースを作り上げる仕組みもできています。
そのような中でサトノダイヤモンドが好走するためには、やはりサトノノブレスのサポートは欠かせないでしょう。
サトノダイヤモンドは安定して位置を取れる自在型の馬ですが、押し込められてしまっては力が発揮できないことも考えられるからです。
サトノノブレスがサトノダイヤモンドの前に位置取れば、直線で有利な展開を生み出すこともできます。
サトノダイヤモンドのライバルとなるのは?
今年の凱旋門賞で最大のライバルとなるのは、3歳牝馬のエネイブルです。
この馬は各地のオークスを3連勝しているだけでなく、古馬とのレースであるキングジョージでも勝利しています。
牝馬で牡馬と同等に渡り合うだけでも強さが際立ちますが、オークスは圧勝しており牝馬としては抜けた存在です。
凱旋門賞では3歳牝馬の斤量がかなり軽いこともあり、輸送などを無事こなせればサトノダイヤモンドにとって怖い存在となるでしょう。
その他フランスダービー馬のブラムトや、愛ダービー・英ダービーで好走経験のあるクラックスマンなどが注目を集めています。
日本馬の出走は近年増えており、比較的好走するパターンが多いことから現地でもサトノダイヤモンドは期待を集めています。
ブックメーカーのオッズでも3番人気前後を推移しているため、勝機はあると考えられています。
この点から考えると、サトノダイヤモンドはフランスでも通用すると見なして問題はありません。
サトノダイヤモンドのフランスでの追いきり情報
サトノダイヤモンドは日本出国前にも最終追いきりを行っていますが、現地ではキャンターで調整されています。
サトノノブレスとの併せ馬で、馬なりの調整です。
日本とは異なり、輸送を伴う海外遠征では現地の追いきりがキャンターで行われるのは一般的なことですのであまり不安要素はありません。
凱旋門賞直前にも調教は行われますが、それほど強い追いきりにはならないでしょう。
まとめ
今年の凱旋門賞の状況から見るサトノダイヤモンドの勝機や、サトノノブレスとの関係についてまとめました。
絶対的な強さを誇る牡馬の出走はありませんが、G1を4連勝の3歳牝馬エネイブルが最大のライバルと注目されています。
サトノダイヤモンド自身は近年好走している日本馬で、安定した成績の持ち主でもあり現地でも評価されています。
サトノノブレスは帯同馬であり、現地でもラビットのような扱いになっているためオッズ面でも重要視されている感はありません。
あくまでもサトノダイヤモンドの進路確保や調教をしっかり行うための帯同馬と考えるのが最適でしょう。