日本の競馬のオッズは、主催者のJRAが、「ディープインパクトは単勝2倍ね。オルフェーヴルは単勝1.5倍ね」と、決めているわけではありません。
例えば単勝馬券だけで5000万円の売り上げがあったとすると、そのうちの20%、つまり1000万円はJRAの取り分。
残りの4000万円を馬券購入者同士で奪い合います。
たまに勘違いしている方がいるのですが、堅い配当になろうと、荒れた配当になろうと、JRAは儲かります。
「打倒!JRA!」と声高に叫んでいる人をたまにネット上で見かけますが、JRAを倒しても何の意味もありません。
むしろ馬券が買えなくなるだけです。
倒すべきは、他の馬券購入者なのです。
話が脱線してしまったので、オッズの歪みの話題に戻します。
先ほどは、単勝、で話を進めましたが、今回は「単勝と複勝」で考えましょう。
単勝と複勝の難易度の差
では、18頭立てのレースで単勝と複勝がそれぞれ5000万円ずつ馬券が売れていたとしましょう。
単勝の的中確率は、単純に考えるなら1/18。
複勝の的中確率は3/18=1/6です。
ここで、単勝オッズが5倍の馬がいたとしましょう。
では、その場合、複勝オッズは何倍くらいついているのが適正でしょうか?
およそ1.6~1.8倍前後というところですね。
なぜなら、複勝は単勝の3倍当てやすいわけですから、当然、オッズは1/3になるのが正しいです。
ですが、実際に、適正オッズが付いている事というのは、現実の競馬ではあまりありません。
例えば、まずはこんな結果をご覧ください。
実際に出現した、複勝が圧倒的にお得だったレース
2017年4月1日(土) 2回阪神3日
1R 3歳未勝利
単勝11 520円 2番人気
このレースでは単勝5.2倍で2番人気に推された馬が勝利しました。
本来であれば、この馬の複勝は1.8倍前後が適正オッズなのですが、このレースでこの馬の複勝についた配当金は460円でした。
締め切り時点のこの馬の複勝オッズは1.2~4.8倍。
断然の一番人気に支持された馬が馬券圏外に消えたので、複勝オッズの上限近くまで跳ね上がりました。
このレースに関しては、当てるのが3倍難しい単勝よりも、3倍簡単な複勝を買っていたほうが得だったというレースです。
この結果を見ると「たまたま1番人気の馬が消えたから単勝よりも複勝を買う方が得だったと言えるだけで、結果論じゃないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではありません。
複勝オッズというのは、3着以内に入れば的中となる馬券。
そして、3着以内に入った、他の馬のオッズによっても配当が変わる馬券です。
つまり、レースが終わるまで配当金がいくらになるのか大雑把にしかわかりません。
しかし、下限より安い配当になることは無いですし、上限より高い配当になることもありません。
それならば、単純に平均で考えればいいです。
今回の場合なら、1.2~4.8倍のオッズの中間を取りましょう。
つまり、この馬の平均複勝オッズは3倍だと考えていいです。
単勝オッズ5倍に対して、3倍のオッズが見込めるのであれば、当然複勝のほうが得です。
どの馬券も基本的な考え方は同じ、歪みを見つけて得な馬券を買おう
馬連でもワイドでも3連複でも3連単でも、基本的にはこの考え方で
オッズの歪み=お得な馬券
を発見することが出来ます。
馬連 153点
馬単 306点
3連複 816点
3連単 4896点
馬単は馬連の2倍難しい馬券です。
馬連が10倍付いているなら、馬単の表裏を買った時に最低でも20倍はついていないと割に合いません。
馬連10倍なのに、馬単の表裏で20倍を割っているなんてことはよくあります。
3連単は3連複の約6倍難しい馬券。
3連複100倍だとしたら最低でも600倍はついていないと割に合いません。
大雑把な見つけ方はこれで十分です。
単純に、馬連なら馬単、3連複なら3連単、同じような式別の連複馬券と連単馬券の差を比較して得なら得なほう買う、損なほうは買わない。
これが歪みを見つけた際の最適な活用法と言えます。
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