今年はシャンティイの舞台で一生懸命頑張ったマカヒキでしたが、やはり世界の壁はあまりにも高く、今年も日本馬にとって悲願の凱旋門賞制覇はなりませんでした。
今やすっかり日本のホースマンにとっての悲願であり目標となっている凱旋門賞ですが、これまで数々の日本の名馬が挑戦しても先頭ゴールが一度も許されなかったからこそ、「悲願」であり「目標」ともなっているわけです。
過去の日本馬の凱旋門賞挑戦で、最も優勝に近かった馬といえば、おそらく多くの競馬ファンが「オルフェーヴル!」と答えるでしょう。
まあ確かにオルフェーヴルは日本と変わらぬ、いや、それ以上の豪脚で一旦は完全にブチ抜ける強さを発揮しました。
しかし「着差」に注目すると、アタマ差ともハナ差ともいわれるナカヤマフェスタ(父ステイゴールド)が最も惜しかったともいえるはずです。
産駒の評判・特徴
オルフェーヴルと同じステイゴールド産駒のナカヤマフェスタは、一説では、気性が激しすぎるといわれたオルフェーヴル以上に激しい気性で、オルフェーヴルは気性難というほどの気の悪さは見せませんでしたが、確かに現役時代のナカヤマフェスタは、ゴールドシップらと同様、いかにもステイゴールド産駒らしい気の悪さも時折顔をのぞかせていました。
ナカヤマフェスタ産駒は、現在中央ではわずかに13勝しかマークしていません。
地方競馬ではそれなりの成績を残しているようですが、いくら意外性があるステイゴールド系とはいえ、現状非常に厳しい状況にあるといわざるを得ません。
やはりその評判どおり、産駒にも気性難のタイプが多く見られ、しかもオルフェーヴルのようなキレがなかった部分も十分に補い切れていない産駒が現在のところ多くなっているようです。
ただ、産地での評判はそこまで悪くなく、やはりステイゴールド系はディープインパクト産駒には見られない底力と大物を出す可能性に満ちているということ、そして種付け料が格安であるという点で、メリットが大きいようです。
産駒の成績
2016年リーディングサイアー争いでは、10月19日現在で76位(11頭が12勝)につけています。
まだ2世代目を送っているさなかというキャリアの浅い種牡馬なので、これからまだまだ逆襲の可能性はあるでしょう。
期待される注目2歳馬
中央での勝ちあがり12頭のうち、11頭が未勝利の勝ちあがりでしたが、今年2歳馬から、ついに新馬勝ちをおさめた産駒が登場しました。
まったくの人気薄ながらもド派手な追い込みを決めたのが、グリトニル(母の父メジロライアン)という男馬です。
昇級してもそこそこやれているので、まだまだ線が細いまったくの未完成の馬体を見る限りでは、先々伸びる可能性は十分でしょう。
まとめ
宝塚記念を勝って凱旋門賞僅差2着ですから、ふつうであればもっと評価が高くてもおかしくないナカヤマフェスタ、しかしサンデーサイレンス系が飽和しているところに来て、同じステイゴールド産駒のオルフェーヴルが名実ともにド派手な現役生活だったこともあって、ナカヤマフェスタにとって少し不遇の種牡馬生活ということに、ここまではなっています。
しかし意外性に満ちたステイゴールド系の血の可能性は計り知れず、ここからの逆襲さえも大いに期待できるのではないでしょうか。